いろのはなし – 色の見えるしくみと遮熱塗料

今日は、色の見えるしくみと遮熱塗料を考えてみましょう。

モノが見えるには光源必要

真っ暗な世界、光のない空間では何も見えません。
夜になると、車の色や道を歩いている人が見にくくなる事からも分かりますね。また、真っ暗な部屋では色も形も何もかもが見えない。皆さんも経験があるでしょう。つまり、私たちがモノやその色を見るためには光(光源)が欠かせないのです。

光が反射して初めて色が見える

光源からの光(太陽、蛍光灯やLEDの光など)が物体を照らすと、物体の表面ではその光の一部を吸収し残りを反射します。反射された光が私たちの目に入ると、それが情報として脳に伝わります。脳がその情報を受け取ると、はじめて私たちは「モノを見た」と感じるのです。そうです、実は光が反射したモノを見せられているとも言えるのです。

ニュートンが発見した「分光」とは

太陽の光をプリズムに通すと、虹のような色の帯ができることをご存知の方は多いでしょう。このことを発見したのは、万有引力を発見したニュートンです。この色の帯をスペクトルと呼び、光をスペクトル(波長成分)に分けることを「分光」といいます。
スペクトルは赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の順に並んでいますが、これはそれぞれの波長の長さが違うために生じる現象です。私たちがモノや色を見るために必要な光は、380~780nm(ナノメートル・10億分の1メートル)という範囲の電磁波で可視光波長領域ともいいます。この光は、性質の違いによって、大まかに短波長、中波長、長波長の3つにわける事ができます。

  • 私たちは、短波長が多い光を見た時に「青い」と感じます。
  • 中波長が多いと「緑」を感じます。
  • 長波長が多いと「赤」を感じます。

例えば光がリンゴにあたると、リンゴの表面では短波長(青)の光と中波長(緑)の光が吸収され、長波長(赤)の光が多く反射されます。この長波長(赤)の多い光が目にとどくことで、私たちは目の前にあるリンゴが「赤い」と感じるのです。

実は光が反射したモノを見せられている
実は光が反射したモノを見せられている

弊社では、遮熱塗料を製造販売しておりますが、一般塗料と同じ色相に配合設計しております。故に380~780nmの光の反射は同じです。ここで反射に違いがあると私たちの目には異なった色相と感じてしまうのです。

 

しかし、遮熱塗料は780nm以降の近赤外線波長領域で大きく光を反射し、塗膜への熱エネルギーを低く抑えているのですよ。