屋根塗替えのタイミングと塗料の耐久性

一般的に塗替えのタイミングとして、チョーキングという現象(指で塗膜をなぞると塗料の粉が付く現象)がありますが、屋根の場合は自分で確認できるものではありません。そこで、今の建物が築何年なのか、前回の塗り替えから何年経ったのかをうっすらと覚えておく必要があります。今回が2回目の塗り替えの場合、前回に塗った塗料の種類によって塗替え時期が異なりますので、下記を参考にしてみてください。

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各塗料の耐久性の目安

  • ウレタン系樹脂塗料:7~9年
  • シリコン系樹脂塗料:10~12年
  • フッ素系樹脂塗料:10~15年
  • 無機塗料:15~20年

初めての塗り替えの場合も、2回目以降の塗り替えの場合も、まずは10年を一つの目安にプロに点検をお願いしてみるのもいいかもしれません。

チョーキングの判定方法

チョーキング(白亜化)とは仕上塗材表面の樹脂分が劣化し、充填材が離脱しやすくなり表面が粉末状になる現象ですが、その程度はJIS K 5600-8-6 に規定されている方法によって評価できます。
塗膜表面に貼り付けた透明な粘着テープを剥がし、テープに付着した微粉を、微粉が目立つ背景色の上で目視で観察し、標準図版と比較して等級を判定するというものです。

当社の塗料に使用している樹脂には、アクリル、ウレタン、シリコン、無機、MMA、ポリウレアなど多岐に亘っています。いずれの樹脂も永久に劣化しないわけではなく、使用目的や予算によって使い分ける必要があります。
永遠に劣化しない安価な樹脂があれば良いのですが。

遮熱塗料を屋根に塗る効果について

遮熱塗料 どこに塗るのが効果的?

遮熱塗料は、太陽光を反射して温度上昇を抑制することができる特殊な塗料です。
太陽光を浴びる時間が長ければ長いほど、それだけ遮熱効果も期待できます。
それでは、どこに塗るのが一番効果的でしょうか。
一日中太陽光を浴び続ける場所、、それは、建物の屋根です。

建物の屋根
倉庫の屋根に遮熱塗料を使うことで暑さ対策が可能

屋根は高い所にあり、太陽光を遮るものが無いため、遮熱塗料を塗るには絶好の場所です。
また、屋根は常に太陽光や風雨に晒され続ける過酷な場所であり、定期的にメンテナンスを行う必要があります。
遮熱塗料は錆止め効果や延命効果(耐久性)も兼ね備えているため、屋根に遮熱塗料を塗ることで建物の資産価値を高め、効率の良く暑さ対策も出来てしまいます。
このように、遮熱塗料 × 屋根というのは非常に相性が良く、「どうせ塗るなら遮熱塗料」という風潮がここ最近強まっているように思えます。

 

室温はどのくらい下がる?

建物の構造や建物内部の環境にもよるため一概には言えませんが、目安として「外気温+1~2℃程度」にまで下げることは可能であると言えます。


夏場に外から帰ってくると部屋の中が「モワ~っ」と暑く感じることがありますが、その「モワ~っ」が無くなるイメージです。
塗装だけで室温が外気温よりも低くなるということはありませんが、「モワ~っ」を無くした状態からエアコンで冷やし始めるだけでもエアコンは無駄な力を使わずに済み、何よりエアコンの効きが格段に上がります。

屋根の色は何色を選ぶのが良いの?

突然ですが、、
真夏の昼下がり、営業マンのあなたは汗だくで外回りを終え、会社に戻る途中に誰もいない灼熱の公園を横切りました。そこには、白いベンチと黒いベンチがありました。あなたならどちらのベンチに座りますか?

正解は「ベンチになど目もくれず即帰社」ですが、どちらかに座らなければならないとしたら、私は直感的に見た目が涼しそうな白いベンチを選ぶと思います。
この感覚は正しく、色は薄いほど光を反射し、濃いほど光を吸収し熱を帯びます。
塗料も例外ではなく、白色を塗れば遮熱効果は高いのですが、濃い色を塗った場合は光を吸収してしまうので、あまり遮熱効果は期待できません。
屋根は外壁よりも人目につきにくいため、白色が採用されるケースが多いです(戸建て住宅を除く)。

塗料の色

しかし、塗装した屋根に建物が隣接していると、場合によっては白色を塗った屋根の照り返しで眩しく感じてしまうケースもあります。
そこで、少し色をつけて眩しさを和らげることがあるのですが…
色の話は次回のコラムで!