遮熱塗料で一番効果の高いのは何色?

前回のコラムでも少し触れましたが、遮熱効果が一番高い色は白色です。

遮熱塗料が一般塗料と大きく異なる点は、太陽光の目に見えない光の波長を反射することです。しかし、目に見える光(色として認識できる光の波長)は色でしか反射できず、じつは反射を色に頼る部分も大きいのです。したがって、同じ遮熱塗料でも色によって遮熱効果は大きく異なります。「外壁がクリーム色だから、屋根は濃い茶色かな…」「ラッキーカラーが青色だから」など、屋根の色を決める基準は様々だと思いますが、遮熱効果を重視する場合はできる限り薄い色で塗っていただくことをおすすめします。

太陽光を効率よく反射する色とその理由

では、色の見え方について少し掘り下げてみます。

私は小学校5年生ぐらいまで、白黒写真を見て「昔は白と黒しかない世界だったのか。色を発明した人に感謝だな」と本気で思っておりました。しかし、当然のことながら実際は今も昔も世の中は色で溢れており、色は私たちの目を楽しませてくれ、生活を豊かにしてくれます。ちなみに、カラー写真は1970年代から普及しはじめたようです。写真のカラー化に尽力された方々に感謝ですね。

話が逸れましたが、私たちは色をどうやって認識しているのでしょうか。

真っ暗な田舎道の郵便ポストを思い浮かべてみてください。

車のライトでポストを照らせば、赤色がはっきりとわかります。しかし、明かりも何もない状態でポストに近づいても色はわからず、月明かりで少し茶色っぽく見えるかもしれません。つまり、物体の色は十分な光を浴びないとわからないのです(テレビなど、自ら光を発しているものは除く)。ポストが赤く見える理由は、ポストに光が当たったときに、ポストが赤色の光だけを反射し、赤色の光だけが私たちの目に入るからです。それ以外の反射されなかった光はどこに行くのかというと、物体に吸収され、熱に変わります。

普段から何気なく見ている色が、どのような過程を経て認識されるかについて考えるのも面白いですね。周囲が暗いと色がわからない感覚は幼いころから持っていましたが、光の反射を受けて色を認識しているという感覚はありませんでした。光を反射している色ほど白く見えるため、遮熱塗料もより白色に近い色を選ぶことで高い遮熱効果を得られます。逆に、黒っぽく見える色は光を吸収して熱くなってしまうので、暑さ対策をしたいときはできるだけ白色を選びましょう。