Observation of Surface Temprature and Surface Heat Budget on Concrete Coated with High-Albedo Paints
- 平野 勇二郎 Yujiro HIRANO*
- 新津 潔 Kiyoshi NIITSU**
- 大橋 唯太 Yukitaka OHASHI***
- 一ノ瀬 俊明 Toshiaki ICHINOSE**
- *埼玉大学大学院理工学研究科(学振特別研究員)
- **独立行政法人国立環境研究所 地球環境研究センター
- ***岡山理科大学総合情報学部
要旨:
都市の高アルベド化による暑熱環境緩和効果を明らかにするための基礎研究として、屋外に設置したコンクリート面に高アルベド塗料を塗布した際の表面温度と熱収支の変化を観測した。観測は厚さ8cmのコンクリートブロックを並べた3mx3mのコンクリート面に高アルベド塗料を塗布して行った。この表面温度の観測結果から、最もアルベドが高い白色塗料の塗布面は、塗布を行っていないコンクリート面と比較して日中に10℃以上低温度であることなどが示された。また熱収支解析結果から、午前中の温度上昇時は白色塗料の塗布面では大気から塗布面への下向き顕熱フラックスが生じていることなどが示された。
Abstract:
In order to evaluate the effect of increasing urban albedo on urban thermal mitigation,we measured the changes of surface temperature and heat budget due to high-albedo painting. The observations were made with the concrete blocks settled on the grounds in an area of 3 m square. We coated high-albedo paints to these concrete blocks and measured surface temperature, downward shortwave and longwave radiations, air temperature, and wind speed. We also measured albedo and emissivities of each paint and bare concrete surface. The observation result showed that the daytime surface temperature of white-painted blocks was more than 10℃ lower than that of bare concrete. Additionally, the analytic results of surface heat budget showed that the downward sensible heat flux from air to white-painted blocks appeared in the daytime.
キーワード:高アルベド塗料、表面温度、熱収支、観測、都市熱環境
Key Words:High-albedo paint, Surface temperature, Heat budget, Observation, Urban thermal environment
はじめに
夏季の冷房負荷軽減やヒートアイランド緩和のために都市の表面の高アルベド化、すなわち日射反射率を高める方策が有効であると言われている。これは屋上緑化や保水性舗装とは異なり絶対湿度を上昇させないため、暑熱環境緩和という観点では、夏季に高温多湿となる日本においてとくに有利であると考えられる。広域的な都市の高アルベド化の効果についてはこれまで主にアメリカのLawrence Berkeley National Laboratoryなどを中心に数多くの評価が行われてきた。(例えば、Taha et al.,1999; Akbari et al.,2001)。しかし日本国内ではこれまで、緑化や保水性舗装などの議論は古くからさかんに行われてきたものの、高アルベド化についての評価事例は意外に少ない。とくに最近はメソスケール気象モデルや都市キャノピーモデルを用いたシュミレーションによる報告は増えつつあるが(例えば、亀卦川ほか、2002;佐藤ほか、2004)、日本の気候条件における実測の事例は依然として多くない。実測に基づく評価は特定の気象条件・地域条件の下で行わざるを得ないため、一般的な知見を得るには今後、評価事例を増やしていくことが必要である。また、これまでの数少ない実測はいずれも塗料の塗布による表面温度低下に着目した評価であり(例えば,
二階堂ほか,1999;近藤靖史ほか,2000 など)、その最も基本的なメカニズムである熱収支変化についての実測の事例が見当たらない。
そこで本研究では都市の高アルベド化の暑熱環境緩和効果を明らかにするための基礎研究として、コンクリート面に高アルベド塗料を塗布した際の表面温度と熱収支の変化について観測を行った。とくに本研究では色の異なる3種類の塗料(以下、塗料A、塗料B、塗料Cと呼ぶ)を塗布し比較した 1)。本研究で用いた塗料は可視域は自由に調色できるが、近赤外域の反射率が高いため、同色の一般塗料よりもアルベドが高いという性質がある(深江、2003)。このため高アルベド化による眩しさを軽減できること、建築のデザイン性や街区の美的景観を損なわないことなどのメリットが期待できるため、本研究ではこの塗料を採用した。
1. 観測概要
観測は国立環境研究所内の南側外周付近に設置した観測サイトで行った2)。写真1に示した通り、大きさ30cmx30cm、厚さ8cmのコンクリートブロックを土の上に10個x10個を並べた3mx3mの面に塗料を塗布した。塗料の色は、塗料Aは白色、塗料Bは淡いクリーム色、塗料Cは濃い赤茶色である。
この観測サイトにおいて放射温度計(HORIBA 社製、IT-340)により日中は2時間、夜間は4時間おきに表面温度を観測した。その際の放射温度計の射出率εの設定は1に固定した。各観測箇所はいずれもコンクリートの端から30〜60cmの位置とした。これと同時に、コンクリートの中央付近に設置した放射収支計(Kipp&Zonen社製、CNR-1)により、短波・長波放射を観測した。またコンクリートの脇に気象計(DAVIS社製)を設置し、気温および風速をそれぞれ1.5m、約2mの高さで観測した。短波・長波放射量および気温・風速はデータロガーを用いた自動計測を行い、本研究ではその1時間平均値を解析に用いた。
本研究では次の3通りの観測を行った。これらの観測期間はいずれも無降水である。
観測1: 塗布前のコンクリート面の観測(2003年9月10日 5:00 〜 9月11日 5:00)
比較のための塗布前のコンクリート面について観測を行った。本論文ではこれはアルベドや熱収支解析の参考データとしてのみ用いる。なお、この日はほぼ晴天であり平均気温は27.8℃、日最高気温は31.5℃と気温は高かった。また日平均風速は1.92m/sであった。この風速は、この観測サイトにおける高度2mでの観測値としては大きな値であり、風が強い気象条件であったと言える。
観測2: 白色塗料(塗料A)とコンクリートの比較(2003年9月13日 5:00 〜 9月16日 5:00)
最も反射率が高い塗料Aを塗布した。ただし比較のために南東側の60cmx60cmの範囲を塗布せずに、コンクリート面のままとした3)。また草地および土壌についても表面温度を計測した(写真1の「草地」および「土壌」)。この期間の平均気温は26.2℃、3日間の平均日最高気温は31.9℃、平均風速は0.76m/sであった。9月としては気温が高く、暑熱環境を評価する上では良好な気象条件であったと言える。
観測3: 各塗料(塗料A,B,C)とコンクリートの比較(2003年9月30日 5:00 〜 10月3日 5:00)
3種類の高アルベド塗料を塗布した。写真1に示した通り、中心部分は塗料Bを塗布し、隅の3箇所の各60cmx60cmの範囲を塗料A、塗料Cおよびコンクリート面とした。この期間は快晴日(9/30)を含み、いずれも好天静穏日であった。ただし平均気温は18.4℃、3日間の平均日最高気温は25.3℃と、観測1、2と比較して気温は低めであった。平均風速は0.41m/sであり、静穏な気象条件であった。
2. 各種パラメータの取得
2.1 アルベドの計測
前述の観測1〜3における放射収支計の上向き・下向き短波放射量のデータを用いてアルベドを算出した。この日射量500W/㎡以上の時刻の平均値を表1(a)に示す。また確認のために、各塗料の反射率の標準データ4)を表1(b)に示す。これらのデータを比較すると、放射収支計による計測値の方が明らかに小さいことが分かる。とくにアルベドが高い塗料ほどこの差が大きくなっている。本研究では3mx3mという試験体の大きさの制約から試験体周辺からの反射がセンサーの視野角に入るため(写真1参照)、これが誤差要因となっていると考えられる。一方、標準データは塗料メーカーにより公表されているデータであるため、より精密な計測値であると推察される。ただしこの塗料は受注生産で調色されているため、今回用いた塗料のアルベドがこの標準データと完全に同じとは言い切れない。
そこで、ここでは図1の通りに放射収支計の短波放射センサー部分に艶の少ない黒い筒を取り付け、周辺からの反射を除去した上で反射率を計測した。ここで黒い筒のアルベドを0とし、次式よりアルベドを計測した。
ここで、S↑p: 筒を取り付けた場合の上向き短波放射の観測値、S↓: 下向き短波放射、ref:アルベド、fp :筒を取り付けた場合のセンサー側からみた試験体の形態係数である。ここではref=1とみなせる標準反射板を用いてfpを得た。この方法では鏡面反射成分については的確に計測できないが、今回の塗料やコンクリートはほぼ拡散反射面であると考えられるため、大きな誤差にはならないと考えられる。この方法により得られた各塗料およびコンクリート面のアルベドを表1(c)に示す。この結果、表1(a)の筒を用いていない計測データと比較すると標準データと近い値となっており、より的確な値が得られている可能性が高い。実際には鏡面反射成分が含まれることや黒い筒からの反射も含まれることなどの誤差要因があり得るが、本研究ではこの計測値を解析に用いることにする。
2.2 射出率の計測
射出率εの計測方法を図2に示す。まず長波放射を遮断するカバーを用意し、放射温度計により計測するための穴をあけた。これを用いて、屋外において放射温度計のεの設定を1とし、カバーを試験体に被せた場合と被せていない場合について表面温度の観測を行った。同時に放射温度計によりカバーの温度を計測した。また、天頂角約50°の方向へ向けた放射温度計により空の有効温度(近藤純正 2000)を計測した。ここでカバーの射出率は1とし、また各試験体の射出率が波長に依存しないと仮定すれば、次式が成立する。
ただし、Ts:表面温度、Tc:カバーを被せた場合の放射温度計の観測値、Tn:カバーを被せていない場合の放射温度計の観測値、Tcov:カバーの表面温度、Tsky:空の有効温度である。したがって、式(3)-式(2)より、
となる。各試験体について観測値から算出した σTc4-σTn4とσTcov4-Tsky4 の散布図を図3に示す。この原点を通る回帰直線の傾きが1-єとなる。本研究では曇天時を含めて環境を変えて複数回の計測を行ったため、雲の影響等によりばらつきが生じているものの、いずれも0.96付近の安定した結果が得られた。コンクリートの標準的なεは 0.96であるため(近藤純正、2000)、ほぼ妥当な値であると考えられる。得られたεを表1(d)に示す。
3. 観測結果と考察
3.1 表面温度の観測結果
観測2、観測3について放射温度計の観測データと放射収支計による下向き長波放射L↓および放出率εの計測値から、L↓=-σTsky4として式(2)にこれらを適用し、表面温度Tsを算出した(図4)。観測2の草地と土壌のεは近藤純正(2000)を参考にそれぞれ0.98,0.965と仮定して計算した。
この図4から、最もアルベドが高い塗料Aの表面温度は気温とほぼ一致して推移しており、コンクリート面と比較し日中に10℃以上の温度差があることが分かる。
観測2では日中の土壌面の表面温度が突出して高いことも特徴的である。土壌はアルベドが低く熱容量が小さいことなどから日中に温度が上がりやすく、またこの観測期間は表面が乾燥していたため、非常日高温になったと考えられる。このため、塗料Aを塗布したコンクリートとは約20℃の温度差が生じている。一方、草地面の温度は日中は塗料Aとほぼ同程度である。草地は蒸発散の効果により表面温度が上がりにくいことが知られているが、今回のケースでは塗料Aの表面温度低下効果はそれと同程度に生じていると言える。ただし夜間は草地の方が温度が低い。これは主に蓄熱量の違いによるものと考えられる。
観測3は躯体はいずれもコンクリートであるために日変化パターンは類似しているが、温度差はアルベドと対応して明瞭に生じている。前述した通り、塗料B、塗料Cは近赤外線を反射するため、外見上の明度の割にアルベドが高いという特性がある。このため、塗料Bは外見上はコンクリート面とほぼ同程度の明るさであるが(写真1参照)、日中にコンクリート面より約8℃ほど低温である。また塗料Cはコンクリートと比較して明らかに濃色であるが、コンクリート面よりも日中に約2℃高い程度である。ここで、観測3についてアルベドと表面温度の関係を図5に示す。この図5からアルベドと表面温度は全体的には概ね直線的な関係であると言える。また温度上昇時(図5実線)の方が、下降時(図5破線)と比較しアルベドによる温度差が大きく生じている点も特徴的である。これはアルベドが高いほど表面温度の変化が遅れる方向にタイムラグが生じているためである。この理由については次節で考察する。
3.2 熱収支解析
次に観測3のデータを用い、高アルベド塗料の塗布による熱収支変化について考察した。ここでは地表面に入射する方向を負とし、次式により正味短波放射Snet、正味長波放射Lnetを算出した。
また、観測開始時と終了時の表面温度に大きな違いがないことから、観測期間の積算値では蓄熱量はほぼ無視できると考えられる。そこで
として顕熱フラックスHの日積算値を算出した。この日積算の熱収支を図6に示す。この結果、熱収支残差による日積算顕熱量では塗料Aと塗料Bが負値となっており、大きな熱収支変化が生じていることが推察される。ただしこれは残差であるためさまざまな誤差要因が集積されていると考えられるので、値についてはさらに精査が必要である。ここで、このHの日変化を明らかにするため、式(8)に示すユルゲス式(近藤、2001)を適用した。なお、ここでは気象データと対応させるため、表面温度は時間内挿を行い毎時のデータとした。
ここで、Ta:気温、U:風速である。ただし実際の対流熱伝達率は試験体の粗度や風速の観測高度等の諸要因に依存するため、ユルゲス式が適用できるかどうかはそのつど検討する必要がある。そこでユルゲス式によるHと図6の熱収支残差によるHとの日積算値での比較を行なった(図7)。この図から、両者の関係は概ね直線的であるが、絶対値としてはユルゲス式の方が若干大きめである。この誤差は平均1.9MJ/㎡/日(22W/㎡)であった。誤差要因として、もちろんユルゲス式の適用性についても検討の余地があるが、熱収支残差の方には他のさまざまな誤差が集積されるため誤差が生じやすいことも考慮する必要がある。とくに本研究ではコンクリート内部や下側の土壌の温度を比較していないため、蓄熱量が完全に無視できるかどうかについては検証できていない。また図7ではアルベドが高い塗料Aで差が大きくなっているが、前述した通り塗料Aはアルベドの計測方法によるばらつきが大きく(表1参照)、これが誤差要因となっている可能性がある。一方、ユルゲス式による対流熱伝達率の誤差であれば等比的に生じることが予想できるが、図7では誤差はむしろ等差的に生じており、符号が入れ替わっているケースもある。このため、この差は熱収支残差の方の誤差要因が大きいと思われる。また、対流熱伝達率は風速に依存するため、気象条件が異なる観測1,2,3のデータが図7上で連続的に並んだことも、ユルゲス式の妥当性を示唆している。こうしたことから、ここではユルゲス式による対流伝達率は的確であるとみなし、次にユルゲス式によるHの日変化を図8に示す。この図から、コンクリート面や塗料CからのHは日中に大きく、ピーク時は100〜120W/㎡に達している。これに対し、塗料Aの表面温度は気温とほぼ一致しているが、若干のタイムラグが生じているため(図4参照)こうした結果となった。また、観測2においてもこうしたタイムラグは生じており、(図4上段)、やはり午前中に顕熱フラックスが負になる傾向は明確に生じた(図省略)。塗料Aは日射の大半を反射するため日の出の後すぐには塗布面の温度は上昇しないが、気温は周辺の表面温度に影響されて上昇するため、大気からの顕熱により塗布面の温度が上昇していると解釈できる。このことから、今回の観測では小さな面に塗布したため表面温度は気温と同程度に変動したが、より広域に普及した場合には気温低下効果が大きく生じ、それに対応して表面温度の変動もさらに小さくなることが予想される。
おわりに
本研究ではコンクリート面に高アルベド塗料を塗布し、その表面温度と熱収支の変化について観測を行った。本研究の成果を以下にまとめる。
- (1) 最もアルベドが高い白色塗料(塗料A)の表面温度は、日中・夜間とも気温とほぼ一致し、塗布を行っていないコンクリート面とは日中に10℃以上の温度差が生じた。また、この塗布面は草地の表面温度とほぼ同程度であり、乾燥した土壌面との温度差は日中に約20℃に及んだ。
- (2) 近赤外域の反射率が高い有色の高アルベド塗料(塗料B,塗料C)の塗布面とコンクリート面の表面温度を比較した。この結果、外見上はコンクリートとほぼ同程度の明度であった塗料Bの塗布面では、コンクリート面より日中に8℃ほど低温であった。またコンクリートよりも明らかに濃色であった塗料Cの塗布面でも、コンクリート面より約2℃高い程度であった。
- (3) 熱収支解析の結果、午前中の温度上昇時は塗料Aの塗布面では大気から塗布面への下向き顕熱フラックスが生じ、これにより表面温度が上昇していることが示された。ただしこれは気温変化が無視できるような小さな面に塗布したために得られた結果である。したがって広域に普及した場合に生じる気温低下効果は、観測された表面温度の日変化から予想される以上に大きなものとなる可能性がある。この点については大気との相互作用を含めて今後検討する必要がある。
[謝辞]
本研究を進めるにあたり産業技術総合研究所の近藤裕昭氏、玄地裕氏、井原智彦氏、株式会社富士総合研究所の亀卦川幸浩氏にご指導を頂きました。高アルベド塗料の利用に関しては長島特殊塗料株式会社の深江典之氏にご協力頂きました。反射除けの筒を用いたアルベド計測方法は電力中央研究所の田村英寿氏にアドバイスを頂きました。ここに深謝の意を表します。本研究は文部科学省科学研究費補助金(特別研究員奨励費、14・20174)を受けて実施された。
- [補注]
- 1) 本研究で用いた高アルベド塗料は長島特殊塗料株式会社の「ミラクール F200」である。調色は塗料A,B,Cがそれぞれ「クールホワイト」、「ニューアイボリー」、「レンガ」にあたる。
- 2) この観測サイトは国立環境研究所の「勝連トラバーチン」観測サイト(一ノ瀬ほか、2004)を利用したものである。なお、この観測サイトにはコンクリート内部に熱電対、コンクリート下面に熱流計が設置されており、今回の高アルベド塗料観測の期間中もデータを得ている。今後これらのデータも併せて解析を進める予定であるが、現段階では器差補正等に問題が残されているため、今回の報告ではこれらは用いない。
- 3) 観測2では準備の都合上、塗料Aとコンクリート面のコンクリートブロックの間に断熱材を入れることができなかったため、コンクリート間の熱伝導による誤差が生じている可能性がある。そこでこの誤差を調べるため、観測期間中に放射温度計により境界付近の温度を計測した。この結果、少なくとも放射温度計で検出できる範囲では、60cmx60cmの中心付近では水平方向の温度勾配は見られなかった。コンクリートブロックの間のわずかな隙間により断熱効果が生じていたと考えられる。そこでこの観測結果は利用可能であると判断した。ただし境界から10cmくらいの範囲では中心付近と比べて2℃程度の温度差が生じていたため、やはり熱伝導の影響は完全には否定できない。観測3では写真1の通り、厚さ3cmの断熱材をコンクリートブロックの間に挟み込んだ。
- 4) データ提供:長島特殊塗料株式会社
- [引用文献]
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- ◆亀卦川幸浩、玄地 裕、近藤裕昭、花木啓祐 (2002)「街区構造に応じた高温化対策の導入が都市空調エネルギー需要に及ぼす影響」 エネルギー・資源23(3),200〜206.
- ◆近藤純正 (2000)「地表面に近い大気の科学」東京大学出版会、東京, 324pp.
- ◆近藤裕昭 (2001) 「人間空間の気象学」朝倉書店、東京、156p.p
- ◆近藤靖史、長澤康弘、入交麻衣子 (2000) 「高反射率塗料による日射熱負荷軽減とヒートアイランド現象の緩和に関する研究」空気調和・衛生工学会論文集, 78,15〜24.
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- ◆二階堂稔、寺内伸、水野民雄、石原真興、館山陽介 (1999) 「光の高反射・熱の高放射塗料の開発(その2)」日本建築学会大会学術講演梗概集, A1-1,625〜626
- ◆深江典之 (2003) 「遮熱塗料の遮熱機能と省エネルギー効果」省エネルギー, 55(10),27〜32
- ◆Akbari,H.,M.Pomerantz and H. Taha(2001)「Cool surfaces and shade trees to reduce energy use and improve air quality in urban areas」 Solar Energy,70(3),295〜310
- ◆Taha, H.,St.Konopacki and S Gabersek(1999)「Impacts of large-scale surface modifications on meteorological conditions and energy use: a 10-region modeling study」 Theor.Appl.Cimatology,62,175〜185
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社団法人 環境情報科学センター
Center for Environmental Information Science, Tokyo
- 12.高アルベド塗料を塗布したコンクリート面の表面温度と熱収支の観測 >>ダウンロード
Parpers on Environmental Information Sciense, No.18, November, 2004